| 何のために治療をするか |
この前初診でいらした患者さん、趣味でトランペットを吹いていてどうも上手く吹けないのは歯並びが原因ではないかというご相談でした。確かに軽い上顎前突と軽い下顎前歯の叢生(凸凹)がある状態で、矯正治療を始めてもおかしくはない歯並びでした。でも、そのくらいの歯並びならもっと上手にトランペットを吹ける人はたくさんいます。それよりも問題なのは下唇を噛む癖といつも口唇を開けている癖があって、そのために下唇が厚くなっているのと、今まで前歯であまり咬んでいないために前歯が磨り減らずに生えてきたままの形をしていて若干長い。ですから、唇を咬む癖をやめることと口唇のトレーニング(パタカラ)をすることを勧め、前歯を削って長さを整えました。 ご本人はすっかり歯列矯正をするつもりでいらしたようでしたが、まだトランペットは初心者程度でしたので、歯の前にやることがたくさんあるはずです。トランペットのためだけに矯正治療をするのはあまり幸せなことではないと考え、矯正治療を勧めませんでしたが、なんだか私って商売っ気なさずぎだなあと思ったのでした。
逆に「私は騙されて矯正治療を始めたんです」とおっしゃった方がいます。もちろん私の所で矯正治療を始めた方ではありません。よその医院でちょっとした前歯の凸凹を相談したことろ、何だか抜歯して予想以上に大掛かりな治療になったのだそうです。きっと最後まで不信感を持っていたのでしょう。私の所にいらした時は、終了したにもかかわらず奥歯だけが当たって前歯が咬んでいない状態(無理に抜歯スペースを閉じようとしたのでしょう)でしたので、当院で再治療をしましたが、本人が本当に納得して始めないと不幸なのだということを目の当たりにした体験でした。
何のために治療をするのかキチンと担当医と確認をして、納得して矯正治療を受けて下さい。そうすればきっとすてきな結果が得られると思います。
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